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MIPI-DSIビデオ・モード

このシナリオでは、ディスプレイ・シリアル・インタフェース(DSI)を搭載したディスプレイを使用する場合に、ビデオ・モードのSTM32 DSIHOSTとTouchGFX Generatorを設定する方法について説明します。

この記事で使用する例は、24ビットRGB888のフレームバッファ・フォーマットに対応するものです。STM32CubeMXの設定で実行し、生成済みのコード例を示します。

設定

LTDCの設定

  • モード
    • Display TypeをRGB888 (24 bits) - DSI Modeに設定
  • レイヤーの設定
    • Number of layersを1 layerに設定
    • Layer 0 - Pixel FormatをRGB888に設定
    • Layer 0 - Alpha constant for blendingを255に設定

      LTDCの設定

  • NVICの設定
    • LCD-TFT global interruptを有効にする

      LTDC NVICの設定

DSIHOSTの設定

  • モード
    • DSIHostをVideo Modeに設定
  • ディスプレイ・インタフェース
    • Color CodingをRGB888 (24 bits) - DSI modeに設定
    • 残りの設定は選択したLCD HWに応じて異なる

      DSIHOSTの設定

  • NVICの設定
    • DSIHOST global interruptは必要ないので、無効にすること

      DSIHOST NVICの設定

TouchGFX Generator

  • モード
    • Graphics Applicationを有効にする
  • TouchGFX Generator
    • Display / InterfaceをParallel RGB (LTDC)に設定(これはコントローラであり、アプリケーションとの通信の必要があるため)
    • Application Tick SourceをLTDCに設定

      TouchGFX Generatorの設定

ユーザ・コード

TouchGFX Generatorでは完全なTouchGFX ALを生成できます。これは、 DSIホスト・コントローラを介してフレームバッファ・メモリからディスプレイにピクセルを転送し、ディスプレイがTouchGFX Engineと同期するようにLTDCを設定するものです。 以下に示すように、わずかな調整が必要になる場合があります。

DSIHOST / LTDCの初期化シーケンス

MX_DSIHOST_DSI_Init()の呼び出しは、MX_LTDC_Init()の前に行う必要があります。 これはSTM32CubeMXで処理します。 正しくない場合は、ユーザ・コード・セクションで必ず順序を修正してください。

HAL_DSI_Start()の呼び出し後、DSIHOSTクロックをDSIPHYソースに切り替えます。

static void MX_DSIHOST_DSI_Init(void)
{
...
/* Switch to DSI PHY PLL clock */
RCC_PeriphCLKInitTypeDef PeriphClkInit;
PeriphClkInit.PeriphClockSelection = RCC_PERIPHCLK_DSI;
PeriphClkInit.DsiClockSelection = RCC_DSICLKSOURCE_DSIPHY;
HAL_RCCEx_PeriphCLKConfig(&PeriphClkInit);
/* USER CODE END DSIHOST_Init 2 */
...
}

ユーザは、MX_LTDC_Init()関数の末尾に、使用されたLCDコントローラに固有の必要な初期化コードを追加する必要があります。 そのコードは、DSI HAL APIのHAL_DSI_ShortWrite()HAL_DSI_LongWrite()に基づくものになります。

  static void MX_LTDC_Init(void)
{
...
/* USER CODE BEGIN LTDC_Init 2 */
// Specific LCD controller's initialization code
...

// Exit Sleep Mode
if (HAL_DSI_ShortWrite(&hdsi, 0, DSI_DCS_SHORT_PKT_WRITE_P0, DSI_EXIT_SLEEP_MODE, 0x00) != HAL_OK)
{
Error_Handler();
}

HAL_Delay(120);
/* USER CODE END LTDC_Init 2 */
...
}

DSIビデオ・モード用に更新されたTouchGFXHALクラス

LTDC割り込み用に生成されるコードは、パラレルRGBディスプレイ・インタフェースの使用時に生成されるコードと同じです。

アプリケーションで最初のフレームの描画を完了するまでMIPI DSIディスプレイがオンになるのを防ぐ1つの方法は、関数TouchGFXHAL::endFrameをガードして、TouchGFXが最初のフレームを描画するまでディスプレイをオフにしておくことです。 TouchGFXHAL::endFrame()を以下のように更新すると、PWM出力用に設定されたHWタイマを通して、LCDとそのバックライトを有効にできます。

void TouchGFXHAL::endFrame()
{
if (!display_on)
{
display_on = true;
/* Enable the LCD, Send Display on DCS command to display */
HAL_DSI_ShortWrite(&hdsi, 0, DSI_DCS_SHORT_PKT_WRITE_P1, DSI_SET_DISPLAY_ON, 0x00);
/* Start PWM Timer channel */
(void)HAL_TIM_PWM_Start(&htim8, TIM_CHANNEL_2);
/* Enable Backlight by setting Brightness to 100% */
__HAL_TIM_SET_COMPARE(&htim8, TIM_CHANNEL_2, 2U * 100);
}

TouchGFXGeneratedHAL::endFrame();
}

サポートされるフレームバッファ戦略

  • シングル
  • ダブル
  • パーシャル - LTDC駆動ディスプレイ
Further reading
TouchGFXのフレームバッファ戦略の概要については、「フレームバッファ戦略」の記事を参照してください。

リファレンス実装

TouchGFXBoard Setup STM32U5G9J DK1には、24ビットRGB888のフレームバッファ・フォーマットでDSIビデオ・モードを実行するリファレンス実装が含まれています。

Further reading
LTDCを用いたDSIビデオ・モードと互換性のある生成されたTouchGFX ALの詳細については、「LTDCディスプレイ・インタフェース」の記事を参照してください。